南アジアに位置するインドには、絶滅危惧種に希少種などの渡り鳥が越冬地として過ごす「ケオラデオ国立公園」、熱帯雨林や世界最大のマングローブ森を形成する大湿地帯「スンダルバンス国立公園」などが世界遺産(自然遺産)として引き継がれています。
インド北部ラージャスターン州の淡水湿地帯を中心とした約29k㎡の範囲内にケオラデオ国立公園は位置、アフガニスタン、トルクメニスタン、中国、シベリアから絶滅危惧種や希少種などの渡り鳥がが飛来する重要な越冬地、また、公園内を餌場とする在来種の繁殖の場となっています。
かつて、19世紀末のマハーラージャのカモ狩猟場は、近年は希少種のシベリアクレーン(Siberian crane)などの鳥類が観測される有名な旧北区(生物地理区)としても知られています。
スンダルバンス国立公園は、インド西ベンガル州とバングラデシュとの国境付近に跨る世界最大のデルタ地帯に位置、ガンジス川とブラマプトラ川から運ばれた土砂が河口付近に堆積され、熱帯雨林や世界最大のマングローブ森が領域を形成する大湿地帯。
国立公園の陸地面積は絶えず変わり、河口に沿った潮流の浸食プロセスと河口水路内部の両岸に沿った堆積過程に影響され、世界最大のデルタ地帯の形状は流れの働きによって形作られています。
19世紀末、自然湿原のくぼ地を開発したケオラデオ国立公園は、1982年に国立公園として宣言されるまで、狩猟地として管理され続け、狩猟が禁止された宣言後は「鳥の楽園」となっています。
草原、森林、湿地と地域に居住する人々を背景に、約29k㎡の敷地に及ぶ国立公園は、中央アジアを移動する渡り鳥の飛行経路の要衝とした湿地帯で、冬に到着する渉禽類のほか、カモ、ガチョウ、クロガモ、ペリカンなど公園内で繁殖する水鳥の重要な生息場所として、絶滅の危機に瀕したシベリアクレーン個体群の唯一の越冬地として、地球規模で危機に瀕する種、カラフトワシ、カタジロワシなどの越冬地にもなっています。
国立公園は、公園存続の為に公園境界線の外側、管理された貯水池からの安定給水に依存しながら野生生物のオアシスとして鳥類約375種と多数多様な生物形態が記録されています。
繁殖期間中は、アオサギ、トキ、鵜、ヘラサギ、コウノトリの15種で形成された最も壮観な繁殖地で、2.0000以上の鳥が巣を作リ出すため、公園から溢れ出す年もある様です。
ケオラデオ国立公園は、絶滅危惧種や希少種などの渡り鳥を含む、大多数の鳥類が過ごすため、バードウォッチングなどの観光地として有名な国立公園。
英語表記:Keoladeo National Park
所在地:ラージャスターン州バーラトプル N27 9 32 E77 30 31(緯度 経度:度分秒)
登録基準 (x) 1985年登録
独特な自然経過の湿地帯、スンダルバンス国立公園は、海洋生物のための養魚場となり、サイクロンに対する気候上の緩衝としての役割を担っています。
世界最大のマングローブ林が含まれるスンダルバンス国立公園の豊かな森や水路は、絶滅の危惧種の数など、動物相の広い範囲にわたる生息地を提供、国立公園内に生育する世界最大のマングローブ林は、すべての自然生態系の中で最も生物学上の生産的有効性を提示。
絶滅の危機に瀕するトラの生息地としても世界唯一の最大領域を堅持、単一で水陸両用の生活圏にほとんど適応したトラが、最大の個体数を維持、同様にイラワジイルカ、ガンジスカワイルカなどの水生哺乳類の生息も支えています。
マングローブ林は、暴風雨の障壁、海岸の安定、栄養物の沈殿、底生と陸生の動植物などの多種多様な水生動物を支え、材木と天然資源の源としても経済的重要性を例示しています。
英語表記:Sundarbans National Park
所在地:西ベンガル州とバングラデシュとの国境付近 N21 56 42 E88 53 45(緯度 経度:度分秒)
登録基準 (ix)(x) 1987年登録
登録年度順 | 登録名 |
1 | カジランガ国立公園 |
2 | マナス野生動物保護区 |
3 | ケオラデオ国立公園 |
4 | スンダルバンス国立公園 |
5 | ナンダ・デヴィ国立公園と花の谷国立公園 |
6 | 西ガーツ山脈 |
7 | 大ヒマラヤ国立公園 |
登録年度順 | 登録名 |
1 | カンチェンジュンガ国立公園 |