南アジアに位置するインドには、ヒンドゥー教寺院のほかジャイナ教聖域が混在する「パッタダカルの建造物群」、ヒンドゥー彫刻の傑作といわれる巨大な3面のシヴァ神像を保持する「エレファンタ石窟群」などの宗教建造物が世界遺産(文化遺産)として引き継がれています。
パッタダカルの建造物群は、インド南部カルナータカ州パッタダカルに位置、6世紀中頃~8世紀中頃、南インドを統治したヒンドゥー王朝、前期チャールキヤ朝の都市遺跡。
残存するヒンドゥー教建造物は、インド南北の建築形態が混在、ピラミット形の南インド様式と神殿の屋根が砲弾形の北インド様式が調和した建築様式になっています。
インド西部のマハラシュトラ州ムンバイの沖、約10kmに位置するエレファンタ石窟群は、エレファンタ島(ガラプリ島、Gharapuri Island)に残存するヒンドゥー教石窟寺院とシヴァ神崇拝に結び付いた洞窟美術が含まれています。
小さな島のエレファンタ石窟群は、狭い谷によって切り離された2つの小さな丘が特徴で、豊かな古代文化の歴史を解き明かす考古学的遺跡が数多く点在。
点在する遺跡には、紀元前2世紀という早い時期から占有されたことが明らかにされ、岩を切り出したエレファンタ石窟寺院は、5世紀中頃~6世紀に構築されています。
パッタダカルの建造物群は、ヒンドゥー教寺院のほか、ジャイナ教の聖域も見かけることができます。
北インド様式の代表的な寺院は、パーパナータ寺院、ガラガナータ寺院、南インド様式の代表的寺院は、マッリカールジュナ寺院、ヴィルパークシャ寺院。
残存する印象的な9つのヒンドゥー教寺院のなか、特に目立つ建築様式の一つに、ヴィルーパークシャ寺院(Virupaksha Temple)があります。
英語表記:Group of Monuments at Pattadakal
所在地:カルナータカ州パッタダカル N15 56 53.988 E75 49 0.012(緯度 経度:度分秒)
登録基準 (iii)(iv) 1987年登録
エレファンタ石窟群の洞窟の中で最も重要なのは、正面入口から背面まで39mと測定された大きい洞穴1で、西の丘陵にあるこの洞窟は密接にインド・エローラ石窟群のデゥマル・レーナ洞窟(Dumar Lena cave)に類似しています。
洞窟の本体は、3つの見通しのよい側面と背面通路上の柱廊を除いた27mの正方形で、6段の列によって構成されています。
洞窟1の入口で威圧する高さ7mのサダシヴァ(Sadashiva)は傑作で、シヴァ神像の巨大な3面彫刻は、創造主、保護者、破壊者を表しています。
エレファンタ石窟群は、長い伝統的芸術から生まれた審美的な美しさと彫刻芸術の組み合わせは、ヒンドゥー教の唯心論的な信念や象徴が洞窟の全体に利用され、さわやかな変革を例示しています。
英語表記:Elephanta Caves
所在地:マハラシュトラ州エレファンタ島 N18 58 0.012 E72 56 8.988(緯度 経度:度分秒)
登録基準 (i)(iii) 1987年登録
登録年度順 | 登録名 |
1 | カジランガ国立公園 |
2 | マナス野生動物保護区 |
3 | ケオラデオ国立公園 |
4 | スンダルバンス国立公園 |
5 | ナンダ・デヴィ国立公園と花の谷国立公園 |
6 | 西ガーツ山脈 |
7 | 大ヒマラヤ国立公園 |
登録年度順 | 登録名 |
1 | カンチェンジュンガ国立公園 |