南アジアに位置するインドには、寺院全体が太陽神スーリヤの馬車をまねているコナーラクの太陽神寺院、巨大な岩を彫りだした岩石寺院、岩山にライオンや象を彫った石窟寺院のマハーバリプラムの建造物群などの宗教建造物が世界遺産(文化遺産)として引き継がれています。
コナーラクの太陽神寺院は、インド・オリッサ州ベンガル湾付近のコナラークに位置する巨石積のヒンドゥー教寺院で、寺院全体が太陽神スーリヤの馬車をまねているのが特長。
13世紀、東ガンガ朝のナラシンハ・テーヴァ1世によって建造されたコナーラクの太陽神寺院は、基壇の両側面に直径約3mの馬車の車輪12対が彫られています。
車輪を含む壁面には、舞踏人物像や寺院守護のためにつくられたウマとゾウの動物像、官能的な異性抱擁のミトゥナ像など、南インド様式のヒンドゥー教石造寺院建築では頂点を極めたと言われています。
マハーバリプラムの建造物群は、インド・ベンガル湾の望む港町マハーバリプラムにあり、タミル・ナードゥ州カーンチプラム県に位置。
タミル・ナードゥ州の州都チェンナイ(旧マドラス)の南から約60km地点に位置するマハーバリプラムの建造物群は、7世紀~9世紀に栄えたパッラヴァ朝のヒンドゥー教遺跡群。
かつて海岸沿いの貿易港であったマハーバリプラムには、石積みの石造寺院、巨大な岩から彫りだした石彫寺院、岩山にライオンや象を彫った石窟寺院など、柔らかさとしなやかなレリーフは、カンボジア、マレーシアなどの東南アジア地域に広く影響したと推測されています。
インド亜大陸の東岸、ベンガル湾の海岸に昇る太陽の光を浴び、太陽神スーリヤの記念碑的な表現をするコナーラクの太陽神寺院は、13世紀にオリッサ地方に建立されたインドの最も有名なブラフマン聖域の一つ。
ブラフマンはヒンドゥー教最高のカーストであり、宇宙の源とされ、物質世界を変える儀式、犠牲の神聖な知性として見なされて、全ての存在に浸透。
したがって、ブラフマンから現われる偉大な太陽神スーリヤの普及の歴史は、物質的にバラモン教(ブラフマン教)とタントラ教信仰の体系とかけがえのない関連を築いた13世紀のカリンガ(現在のオリッサ州)の神学的象徴が屈指の証拠とされています。
英語表記:Sun Temple, Konarak
所在地:オリッサ州コナラーク N19 53 15 E86 5 40.992(緯度 経度:度分秒)
登録基準 (i)(iii)(vi) 1984年登録
7~8世紀にインド南東部コロマンデル海岸沿いの岩から彫りだされ建立されたマハーバリプラムの建造物群は、パッラヴァ朝(3世紀後半~9世紀後半)によって設立。
マハーバリプラムの建造物群のラタ(石彫寺院)は屋根の装飾、壁面、門柱に至るきわめて精細なの彫刻で特に知られ、マンダパ洞窟の何千もの彫刻、高さ9m、幅27mの岩山に彫られた有名な「ガンガーの降下」など岩壁彫刻が存在します。
この地域における石窟寺院、石彫寺院、石造寺院への推移は、南インドにおけるヒンドゥー寺院建築の中心地で主導的位置にあったことを示す重要な資料と評されています。
英語表記:Group of Monuments at Mahabalipuram
所在地:タミルナードゥ州チングレプット N12 37 0.012 E80 11 30.012(緯度 経度:度分秒)
登録基準 (i)(ii)(iii)(vi) 1984年登録
登録年度順 | 登録名 |
1 | カジランガ国立公園 |
2 | マナス野生動物保護区 |
3 | ケオラデオ国立公園 |
4 | スンダルバンス国立公園 |
5 | ナンダ・デヴィ国立公園と花の谷国立公園 |
6 | 西ガーツ山脈 |
7 | 大ヒマラヤ国立公園 |
登録年度順 | 登録名 |
1 | カンチェンジュンガ国立公園 |