南アジアに位置するインドには、イギリス植民地時代、インドの地域開発に重要な役割を果たした世界最古の山岳鉄道「インドの山岳鉄道群」、菩提樹が枝を広げる仏教四大聖地のひとつ「ブッダガヤの大菩提寺」など、イギリス植民地政策を例示する山岳鉄道群と仏教崇拝の建造物が世界遺産(文化遺産)として引き継がれています。
インドの山岳鉄道群は、インド北東部、西ベンガル州のヒマラヤ山麓の丘陵に1881年開通したダージリン・ヒマラヤ山岳鉄道、インド南部、タミル・ナードゥ州のニルギリ丘陵に1908年開通したニルギリ山岳鉄道、インド北西部、ヒマーチャル・ブラデーシュ州のヒマラヤ山麓の丘陵に1903年に開通したカールカー・シムラー山岳鉄道の3本の鉄道から構成されています。
インドの山岳鉄道は、丘陵鉄道の実に優れた実例とされ、大きな美しい山岳の多い地形を横切る効果的な鉄道連結を確立する問題に、大胆かつ独創的な工学技術を適用して見事に実用化しています。
これらは、19世紀後半~20世紀初頭の土木事業の生例としながら、現在でも現役で走行しています。
ブッダガヤ(Bodhgaya)のマハーボーディー寺院(Mahabodhi Temple Complex、ブッダガヤの大菩提寺)は、インド北東部ビハール州の州都パトナーから南約115km、ガヤ市から約16km 地点に位置する地域。
紀元前5世紀頃、釈迦が菩提樹の下で瞑想を行い、悟りを開いた地(成道の地)とされるブッダガヤは、仏陀の一生に関連する4大聖地のうちの1つです。
世界中から巡礼者が訪れるマハーボーディー寺院は、祈り、瞑想などの宗教儀式を提供、現在でも艶やか緑の枝を広げる菩提樹の下で、来訪した僧侶が修行に励んでいます。
ダージリン・ヒマラヤ鉄道は、ヒマラヤの峰々に広がるダージリン茶の産地・ダージリンと始発駅のニュー・ジャルパイグリ駅を結ぶ、紅茶運送用に敷設された世界最古の山岳鉄道。
線路の幅が狭く、現在でも現役で走るトイ・トレイン(ダージリン・ヒマラヤ鉄道)は、ヒマラヤの自然景観ともに旅行者にも人気を博しています。
英語表記:Mountain Railways of India
所在地:シッキム州、タミール・ナドゥ州、ヒマーチャル・ブラデーシュ州、ハリヤーナ州 N11 30 37.008 E76 56 8.988(緯度 経度:度分秒)
登録基準 (ii)(iv)(vi) 1986年登録
ブッダガヤのマハーボーディー寺院は、紀元前3世紀、マウリヤ朝第3代皇帝・アショーカ王(在位:紀元前268年頃~紀元前232年頃)によって建立された最初の寺院。
現在の寺院は5世紀~6世紀頃に建設されたレンガ構造の最古の仏教寺院で、初期の完全なるレンガ建築様式はグプタ朝(320年~550年頃)後期から何世紀にもわたりレンガ建築の発展に重要な影響を与えたと考えられています。
ブッダガヤに現存する大菩提寺は、高さ50m の壮大な寺院を含む、ヴァジラサーナ(Vajrasana)、悟りの聖なる菩提樹と多数の奉納ストゥーパ(仏舎利塔)が取り囲んだ他の6つの聖地など、聖地を中間及び外側の円形の境界内部で保護し維持しています。
英語表記:Mahabodhi Temple Complex at Bodh Gaya
所在地:ビハール州ブッダガヤ N24 41 43.008 E84 59 38.004(緯度 経度:度分秒)
登録基準 (i)(ii)(iii)(iv)(vi) 2002年登録
登録年度順 | 登録名 |
1 | カジランガ国立公園 |
2 | マナス野生動物保護区 |
3 | ケオラデオ国立公園 |
4 | スンダルバンス国立公園 |
5 | ナンダ・デヴィ国立公園と花の谷国立公園 |
6 | 西ガーツ山脈 |
7 | 大ヒマラヤ国立公園 |
登録年度順 | 登録名 |
1 | カンチェンジュンガ国立公園 |