北アメリカに位置するカナダの世界遺産には、極端な干満差を持つ沿岸沿いに独自水門を駆使した農業用地開発の歴史を表すグラン・プレ湿地帯と遺跡群で構成された「グラン・プレの景観」、捕鯨や鯨の解体、鯨油の精製と保管が行われた近代以前の伝統的捕鯨基地跡「レッドベイのバスク人捕鯨基地」など、古代先住民俗の集落、狩猟場跡や近代に構築された要塞、教会、修道院の文化遺産、多様な山岳地帯と落葉樹林が広がる壮観な景観を形成する自然遺産が引き継がれています。
グラン・プレの景観は、カナダの首都オタワの東、約895km、ノバスコシア州(Nova Scotia)の州都ハリファックス(Halifax)北東約80km 圏内に位置、グラン・プレ湿地帯と関連した古来村の遺跡は、何世紀にもわたるフランス人入植者アカディアン人(Acadian)による農業用地開発の著しい努力の成果を示す文化的景観を形成。
それは、農業用地を開発するために干潮時に水門を開き海水を排出、満潮時に水門を閉じ干上がらせる独自水門を駆使した干拓技術が耕作者及び現代の後継者に引き継がれ、アカディア人によって確立されたコミュニティベースの管理体制を介した農業利用のための水圧排出システムの永続性を提示しています。
レッドベイのバスク人捕鯨基地は、カナダ北東部、カナダの首都オタワの北東、約1580km、ニューファンドランド・ラブラドール州(Newfoundland and Labrado)の州都セント・ジョンズ(St. John's)北西、約540km 、ベルアイル海峡内レッド湾のほとりに位置。
面積13.23k㎡ 、緩衝地帯58.65k㎡ を占有するグラン・プレの景観は、アカディア人入植者とその後継者の居住地や生活様式を表し、グラン・プレおよびホートンビル村の考古学的遺跡も含まれています。
グラン・プレは、17世紀アカディア人入植の証しを保持する沿岸地域に沿った土地を除く分割方法によって補い、3世紀にわたって続けられたグラン・プレの土壌分割と作物農法は、北米様式で最も重要な例とされ、干拓地や湿地帯の広大な地域を形成。
また、水を排出するための堰排水ネットワークの水圧システムは、典型的な堤防の全体的効果に基づき、これらの技巧とコミュニティベースの管理は、現在に至るまで続いています。
英語表記:Landscape of Grand Pre
所在地:ノヴァスコシア州 N45 7 6 W64 18 26(緯度 経度:度分秒)
登録基準 (v)(vi) 2012年登録
ノヴァスコシア州(Landscape of Grand Pre) 観光地
グラン・プレの景観(Landscape of Grand Pre) N45 06 30.9 W64 18 36.5 ※ ⇒ Google Map
レッドベイのバスク人捕鯨基地は、残存するカマド、桶屋、埠頭、居住区、共同墓地跡と共に堆積した鯨の骨、難破船などを含む、面積313ha、緩衝地帯285haの面積を占有、大航海時代から南北アメリカ大陸に多くの移住者を送り込み、大西洋でタラ、捕鯨に繰り出したバスク人の伝統的な最も古い北極捕鯨基地跡。
16世紀、捕鯨の北極海上基地であったレッドベイはバスク人により設立され、夏の沿岸捕鯨に解体、鯨油の大規模生産、鯨肉保管、販売輸送に使用、鯨油は、ヨーロッパの主要な照明用として販売されています。
英語表記:Red Bay Basque Whaling Station
所在地:ニューファンドランド・ラブラドール州 N51 43 36.93 W56 25 46.28(緯度 経度:度分秒)
登録基準 (iii)(iv) 2013年登録
登録年度順 | 登録名 |
1 | ランス・オ・メドー国定史跡 |
2 | スカン・グアイ |
3 | ヘッド-スマッシュト-イン・バッファロー・ジャンプ |
4 | ケベック旧市街の歴史地区 |
5 | ルーネンバーグ旧市街 |
6 | リドー運河 |
7 | グラン・プレの景観 |
8 | レッドベイのバスク人捕鯨基地 |