北アメリカに位置するカナダの世界遺産には、コロンブスに先駆け北米最初のヨーロピアンの存在を示すバイキング定住地「ランス・オ・メドー国定史跡」、地域特有の自然環境を見ることができるカナダ西海岸にカナダ先住民俗ハイダ族の生活様式が色濃く残存する「スカン・グアイ」など、古代先住民俗の集落、狩猟場跡や近代に構築された要塞、教会、修道院の文化遺産、多様な山岳地帯と落葉樹林が広がる壮観な景観を形成する自然遺産が引き継がれています。
カナダの首都オタワの北東、約1,620km 圏内、ニューファンドランド・ラブラドール州(Newfoundland and Labrador)のニューファンドランド島北端に位置するランス・オ・メドー国定史跡は、コロンブスが北アメリカ大陸に上陸する約500年前、11世紀頃のバイキング定住の遺跡で北米最初のヨーロピアン存在の証拠として、1960年、探検家、考古学者のイングスタッド夫妻により発見された北米における北欧バイキング定住の最も有名な史跡。
約11世紀前後の日付により、ランス・オ・メドーは、大洋横断よるコロンブス北米到達以前の証拠として広く認められています。
スカン・グアイ(アンソニー島)は、カナダの首都オタワの北西、約4,040km、ブリティッシュ・コロンビア州(British Columbia)の州都ビクトリア(Victoria)の北東、695km 圏内、クイーンシャーロット諸島最南端の無人島。
19世紀初頭以来、スカン・グアイ(アンソニー島)に人の定住はなく、カナダ先住民俗ハイダ族の芸術文化の生活様式を例示する廃虚の村に点在する多数のトーテムポールと大規模な長い杉の住宅遺構、約2,000年前のものとされる4ヶ所の貝塚、2つの洞窟、墓地などの遺跡が残存。
グレートノーザン半島の先端に位置するランス・オ・メドー国定史跡は、8,056ha の領域を占有 、発掘された住宅、ワークショップなどの建物跡は、 スカンジナビアのグリーンランド、アイスランドで発見された建物と類似するとされ、泥炭地に覆われる海岸線にあり、木造泥炭塊の鍛冶場、4つの作業場、8つの建物から構成されています。
1960年代より考古学者アン・スタイン・イングスタッド率いる国際的なチームによって行われたランス・オ・メドーの考古学的発掘は、発掘後、文化的資源を保護、節約のため、1970年代、カナダ政府機関パークス・カナダの指示の下、再度埋め戻されています。
英語表記:L’Anse aux Meadows National Historic Site
所在地:ニューファンドランド・ラブラドール州グレートノーザン半島 N51 28 0 W55 37 0(緯度 経度:度分秒)
登録基準 (vi) 1978年登録
スカン・グアイ(アンソニー島)の正式な緩衝地帯はなく、全体的な島の自然境界内に含まれるグアイ・ハアナス国立公園およびグアイ・ハアナス国立海洋保護区、すべての遺跡が配置されたハイダ国定史跡の範囲内に関連付けられています。
アンソニー島はベーリング海にあり、ほとんど手つかずの自然が残され、サケ、ニシン、カラスガイ、カニ、ウニとタコといった豊富な魚介類が生息、夏は餌場としてこの海域にイルカやシャチ、ザトウクジラなどが回遊してきます。
渡り鳥の中継地にあたり、何十種の鳥類が春と秋にスカン・グアイで羽を休めます。
英語表記:SGang Gwaay
所在地:ブリティッシュ・コロンビア州 N52 5 42 W131 13 13(緯度 経度:度分秒)
登録基準 (iii) 1981年登録
登録年度順 | 登録名 |
1 | ランス・オ・メドー国定史跡 |
2 | スカン・グアイ |
3 | ヘッド-スマッシュト-イン・バッファロー・ジャンプ |
4 | ケベック旧市街の歴史地区 |
5 | ルーネンバーグ旧市街 |
6 | リドー運河 |
7 | グラン・プレの景観 |
8 | レッドベイのバスク人捕鯨基地 |
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