東南アジアに位置するベトナム(ベトナム社会主義共和国)には、ヒンドゥー教シヴァ神信仰の聖地「ミーソン聖域」、紅河下流の紅河デルタ地方で独自文化を繁栄した「ハノイのタンロン遺跡」など、古代隆盛を誇ったベトナム王朝の史跡が点在する王宮跡、宗教建造物が世界遺産(文化遺産)と引き継がれています。
ミーソン聖域は、ベトナム南中部地方、ダナン市に隣接するクアンナム省に位置、ヒンドゥー教シヴァ神信仰の聖地。
13世紀~14世紀、この地で全盛を誇ったチャンバ王国の首都近郊に、インド文化の影響を受けたヒンドゥー教寺院跡などの遺構が点在します。
タンロン遺跡は、ベトナムの首都ハノイの中心部に位置するベトナム諸王朝の遺跡、王都として、政治権力の中心として残された各時代の遺跡。
中国・宋の影響下にあった大越国の独立を記念して11世紀頃、李王朝により中国の要塞跡に建設したタンロン城など、ハノイは約10世紀にもわたる政治権力の中心地となっています。
ミーソン聖域は、ベトナム南中部地方、クアンナム省のデュイ スィエン(Duy Xuyen)地区、神聖視されるトゥボン川(Thu Bon river)の水源付近に位置する世界遺産(文化遺産)。
港湾都市ホイアンの河口から南シナ海に注ぐトゥボン川は、4~13世紀に繁栄したチャンパ王国の中心を流域としています。
この地に残る石の柱とレンガ積みの寺院は4世紀末から始まり、10世紀以上に跨り継続的に建設、多くの寺院跡は、ヒンドゥー教のクリシュナ神やヴィシュヌ神としてではなく、シヴァ神信仰となっています。
遺構、遺跡は約67ヶ所に及び、宇宙の中心にあるヒンドゥー教の神話の場面を描いた浮き彫りと神聖な山の偉大さを象徴する建築様式で構成され、インド・ヒンドゥー教に起源をもつ独特の文化圏が形成されたことを明示しています。
ミーソン聖域の保存は、フランスの考古学者の発見後、20世紀初期に始まりましたが、第二次世界大戦、インドシナ戦争、抗米戦争時(ベトナム戦争時)などにより多くの寺院が破壊された後、保全作業が続けられ、現在では残りの寺院が修復維持されています。
英語表記:My Son Sanctuary
所在地:クアンナム省 N15 31 0 E108 34 0(緯度 経度:度分秒)
登録基準 (ii)(iii) 1999年登録
ベトナムの首都ハノイは、紅河(ソンコイ川)を中心に広がる紅河デルタ地方に属し、タンロン遺跡は紅河デルタを干拓、埋立てて計画的に配置された城砦など各時代の遺跡。
芸術、道徳、哲学、宗教の概念を先導、多数の重要な文化的、歴史的な行事に関連付けられるタンロン遺跡は、ベトナムの植民地時代、独立、統一戦争など、千年以上にわたる国家的行為の過程がハノイの都市空間に記録されている事を提示しています。
11世紀、李王朝(1009年~1225)により紅河(ソンコイ川)下流部、デルタ地域の中心に創建されたタンロン城塞は、ベトナムの伝統文化が現代に至るまで長期間継続したことも提示しています。
英語表記:Central Sector of the Imperial Citadel of Thang Long - Hanoi
所在地:ハノイ N21 2 22 E105 50 14(緯度 経度:度分秒)
登録基準 (ii)(iii)(vi) 2010年登録
登録年度順 | 登録名 | 登録区分 |
1 | フエの建造物群 | 文化遺産 |
2 | ホイアンの古い町並み | 文化遺産 |
3 | ミーソン聖域 | 文化遺産 |
4 | ハノイのタタンロン遺跡 | 文化遺産 |
5 | ホー王朝の城塞 | 文化遺産 |
1 | ハロン湾 | 自然遺産 |
2 | フォンニャ-ケバン国立公園 | 自然遺産 |
1 | チャン・アン複合景観 | 複合遺産 |