東南アジアに位置するベトナム(ベトナム社会主義共和国)には、ベトナム末期の王朝・グエン朝の首都して栄えた「フエの建造物群」、東南アジアでも活気あふれる国際交易都市して栄えた「古都ホイアンの町並み」など、隆盛を誇ったベトナム王朝の史跡や宗教建造物、東西文化の多様な文化が融け合う歴史文化都市が世界遺産(文化遺産)として引き継がれています。
ベトナム(ベトナム社会主義共和国)の北中部地方、トゥアティエン=フエ省フエ市を中心に点在するフエの建造物群は、地理的に南シナ海に面したベトナムの中心部に位置する旧都。
歴史上ベトナムの最後の王朝、グエン朝の首都で文化、宗教の中心地として栄えた都市、中国の柴禁城をかたどった王宮はインドシナ戦争、ベトナム戦争など、西洋列強の被支配からの脱却ための戦争、内戦などが続いた結果、ほとんどが消失しています。
ベトナム南中部地方のクアンナム省、トゥボン川河口の北岸に位置する古都ホイアンは、歴史上東南アジアで活気あふれる国際交易都市して栄えた港町。
中国や日本、ポルトガルやオランダなど多様な文化が入り交ざった町並みは、インドシナ戦争を免れた古きよき時代の町並みが引き継がれています。
19世紀初期にベトナムを再統一したグエン朝初代皇帝、嘉隆帝(ザーロン帝)が建設した王宮、グエン朝・歴代皇帝の墓廟がトゥアティエン=フエ省に点在。
長い戦争が続き、最も激戦区といわれる、この地域の美しい歴史的景観は消失しましたが、現在では復旧も進められ、フオン川沿いに広がる町並みに厚い壁と濠に囲まれたグエン王朝の王宮が静かな佇まいをみせています。
英語表記:Complex of Hue Monuments
所在地:トゥアティエン、フエ省:N16 28 9.984 E107 34 40.008(緯度 経度:度分秒)
登録基準 (iv) 1993年登録
古都ホイアンは、15世紀~19世紀にかけて東アジア、東南アジアの国々が活発に商業活動を行った貿易港。
貿易港としての最盛期には日本人町、中国人町を形成、後にフランスなど西欧の影響をうけながら、ベトナム文化との融合を反映した伝統的な貿易港の形態が保持されています。
古都ホイアンには、仏塔などの宗教的な建造物、1000以上の木造建築物とレンガ、木製の壁が狭い通りにそって隙間なく配置され、現存する木造建築物と街路は17世紀~18世紀の町並みをそのまま残しています。
多様な地形を形成するベトナム南中部地方は、登録された世界遺産だけでなく、観光リゾートとしての魅力的なビーチや地域文化遺産も堪能できる観光地です。
英語表記:Hoi An Ancient Town
所在地:クアンナム省ホイアン N15 52 60 E108 19 60(緯度 経度:度分秒)
登録基準 (ii)(v) 1999年登録
登録年度順 | 登録名 | 登録区分 |
1 | フエの建造物群 | 文化遺産 |
2 | ホイアンの古い町並み | 文化遺産 |
3 | ミーソン聖域 | 文化遺産 |
4 | ハノイのタタンロン遺跡 | 文化遺産 |
5 | ホー王朝の城塞 | 文化遺産 |
1 | ハロン湾 | 自然遺産 |
2 | フォンニャ-ケバン国立公園 | 自然遺産 |
1 | チャン・アン複合景観 | 複合遺産 |
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