南アジアに位置するスリランカには、スリランカ最後の熱帯雨林地帯となり国際的な保護区に指定された「シンハラジャ森林保護区」、たぐいまれな希少動植物が生息する生物多様性に優れた「スリランカ中央高原」などの世界遺産(自然遺産)が引き継がれています。
スリランカの南部州内、サバラガムワ州に位置するスリランカ南西に広がる熱帯雨林地帯のシンハラジャ森林保護区は、熱帯雨林の伐採による建築物、農地開発、薪、紙の素材として森林周辺の開発が進んだスリランカで、最後の熱帯雨林地帯となる国際的な保護区に指定されています。
海抜300m から1,170m に移行する広範囲な熱帯多雨林を含む6,092ha および、森林保護を提案した2,772ha の領域8.864haから、シンハラジャ森林保護区は形成されています。
スリランカ中央州に位置するスリランカ中央高原は、ピーク・ワイルダーネス自然保護区、ホールトン・プレインズ国立公園、ナックルズ森林保護区の3箇所の熱帯雨林地帯から構成された、たぐいまれな希少動植物が生息する生物多様性に優れた地域となっています。
5月~7月、12月~1月のモンス-ンの豊富な雨量で維持されるシンハラジャ森林保護区は、狭くて起伏する細長い地形に、網状の複雑な川の流れが交差する峰と谷が絡みあい、スリランカ固有植物の大半と絶滅危惧種、固有種、希少種などのさまざまな動植物が生息しています。
スリランカに生息する、830種の固有種が生息、そのうち、217種の樹木や攀禽類(はいきんるい)は低湿地帯で生育、魚類、両生類、爬虫類、鳥類及び哺乳類を含む動物相の様々な種が生息、特に哺乳動物、鳥や蝶の固有種は50%以上と高く、絶滅危惧種の固有種、ヒョウ、インド象、カオムラサキラングール(endemic purple-faced Langur)、セイロンカノコモリバト(Sri Lanka wood pigeon)、セイロンバンケン(green-billed Coucal)、セイロンサンジャク(Sri Lanka blue magpie)などの希少種が生息することが知られています。
シンハラジャ森林保護区は、ゴンドワナ大陸の遺物で、大陸移動や生物進化の過程を研究する重要な構成要素を提供しています。
英語表記:Sinharaja Forest Reserve
所在地:サバラガムワ州、南部諸州 N6 25 0 E80 30 0(緯度 経度:度分秒)
スリランカ中央高原は、海抜1,000mから2,000m以上の熱帯雨林地帯で、西ガーツのスリランカ生物多様性のホットスポット内のスーパーホットスポットと考察されるスリランカ山地多雨林の領域を含み、スリランカ脊椎動物の固有種の半分以上及び固有の顕花植物の半分、固有の樹木(潅木)の34%以上、草本植物を主とする植物群落が多様な低山帯熱帯多雨林に制限され、草原区域に隣接します。
脊椎動物の408の種のうち、ピーク・ワイルダーネス自然保護区(Peak Wilderness Protected Area)の両生類83%、淡水魚81%が固有種、ホールトン・プレインズ国立公園(Horton Plains National Park)の爬虫類89%、両生類91%が固有種、そして、ナックルズ森林保護区(Knuckles Conservation Forest)の両生類64%と爬虫類51%が固有種となっています。
スリランカ中央高原の豊富な種は、分類学、グループでの絶滅危惧種の数の高さと、固有種の数が驚異的な高水準と特徴づけられています。
英語表記:Central Highlands of Sri Lanka
所在地:中部州 N7 27 8.82 E80 48 7.56(緯度 経度:度分秒)
登録年度順 | 登録名 | 登録区分 |
1 | 聖地アヌラーダプラ | 文化遺産 |
2 | 古代都市ポロンナルワ | 文化遺産 |
3 | 古代都市シギリヤ | 文化遺産 |
4 | 聖地キャンディ | 文化遺産 |
5 | ゴール旧市街とその要塞群 | 文化遺産 |
6 | ダンブッラの黄金寺院 | 文化遺産 |
登録年度順 | 登録名 | 登録区分 |
1 | シンハラジャ森林保護区 | 自然遺産 |
2 | スリランカ中央高原 | 自然遺産 |