北アジア、東欧に位置するロシア連邦には、モスクワの修道士により創設されロシアにおけるもっとも影響力のある聖地となった中世ロシアの信仰の強さを例示する「ソロヴェツキー諸島の文化と歴史遺産群」、大理石で造られ精巧な浮彫が施された白の外壁を特徴とする聖堂や修道院などの石造建築が点在する中世ロシアの古都「ウラジーミルとスーズダリの白亜の建造物群」など、帝政ロシア時代の伝統的な文化を示す華麗な建造物の町並みとロシア正教の大聖堂、修道院群などの象徴的な世界遺産(文化遺産)が引き継がれています。
ロシア連邦北西部アルハンゲリスク州の州都アルハンゲリスクから290km、モスクワの北約1.100km圏内に位置、白海に浮かぶ6つの島からソロヴェツキー諸島は構成されています。
ソロヴェツキー諸島の文化と歴史遺産群の300k㎡をカバーする区域に、定住時期が有史以前とされる部落、聖地、潅漑システム跡などがボリショイ・ザヤツキー島(Bolshoy Zayatsky Island)、アンツァー島(Anzer Island)に残されています。
15世紀頃には熱心な修道士の活動場所となり、16世紀~19世紀頃に建設された修道院が現在に引き継がれています。
ウラジーミルとスーズダリの白亜の建造物群は、モスクワの東北東約200km圏内、ロシア連邦ウラジーミル州の州都ウラジーミルとスーズダリに位置。
ウラジーミルとスーズダリには、中央ロシアの国家建設に於ける歴史上重要な位置を保持する白石灰岩で造られた白壁の美しい聖堂や修道院、城塞など、12世紀~13世紀の建造物が引き継がれています。
紀元前3千年頃、現在より温暖な気候条件であった中石器時代の早い段階での人の居住跡、18ストーンラビリンス(18 stone labyrinths)、600個以上の埋葬石塚、石で配列されたいくつかのストーン・サークルなど、こぢんまりしたと宗教的な古墳群が見つかっています。
アンツァー島では、4つのストーンラビリンスと38の石塚が海岸に沿って不規則に配置され、この地域の海岸線の植生の変化を通じて気候の歴史を追跡するために非常に重要と評されています。
15世紀になると熱心な修道士がソロヴェツキー諸島で活動したとされ、16世紀~19世紀頃に建設された修道院が現在に引き継がれています。
英語表記:Cultural and Historic Ensemble of the Solovetsky Islands
所在地:アルハンゲリスク州ソロヴェツキー N65 4 60 E35 40 0(緯度 経度:度分秒)
登録基準 (iv) 1992年登録
ソロヴェツキー諸島(Solovetsky Islands) 主な観光地
ソロヴェツキー諸島(Solovetsky Islands) 所在地:アルハンゲリスク州(Arkhangelsky region) N65 04 42.1 E35 38 11.2 ※ ⇒ Google Map
ソロヴェツキー修道院(Solovetsky Monastery) 所在地:アルハンゲリスク州(Arkhangelsky region) N65 01 28.8 E35 42 35.0 ※ ⇒ Google Map
ウラジーミルは、12世紀初頭、ウラジーミル2世モノマフ(Vladimir II Monomakh、キエフ大公、1053年~1125年、在位:1113年~1125年)によってに創建、12世紀~18世紀ウラジーミル大公国(ウラジーミル・スーズダリ大公国)の首都。
現在のウラジーミル州の州都ウラジーミル(Vladimir)、ボゴリュボヴォ(Bogolyubovo)、スーズダリ(Suzdal)、キデクシャ(Kideksha)に残存するロシア正教の生神女就寝大聖堂、生神女庇護聖堂、修道院、要塞など、8つの建造物群が世界遺産(文化遺産)ウラジーミルとスーズダリの白亜の建造物群として登録されています。
英語表記:White Monuments of Vladimir and Suzdal
所在地:ロシア連邦ウラジミール N56 8 60 E40 25 0(緯度 経度:度分秒)
登録基準 (i)(ii)(iv) 1992年登録