フィリピンの世界遺産ツアーには、スペイン統治時代ヨーロッパの教会の設計建築と地元素材と装飾をモチーフとした「フィリピンのバロック様式教会群」、中央山岳地帯に開墾されたイフガオ族の伝統的な「フィリピン・コルディリェーラの棚田群」などの文化遺産があります。
フィリピンのバロック様式教会群は、スペイン植民地時代、16世紀~18世紀間にキリスト教普及のために建設された4つのローマカトリック教会から構成されています。
これらは、フィリピンの別々の地域、ルソン島の北部に2つ、フィリピンの首都マニラの最古地区であるイントラムロスに1つ、フィリピン中部ビサヤ諸島のイロイロ州に1つ、ルソン島マニラに位置するサン・アグスティン教会が最も古く、ルソン島イロコス・ノルテ州パオアイのサン・アグスティン教会、ルソン島イロコススル州サンタ・マリアに位置するヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・アスンシオン教会、ビサヤ諸島パナイ島イロイロ州のサント・トマス・デ・ビリャヌエバ教会(ミアガオ教会)などが世界遺産(文化遺産)として登録されています。
フィリピンに残存する4教会は、地元の素材と装飾をモチーフにしたデザインスタイルを確立、フィリピンを解釈するバロック様式の傑出した実例であり、ヨーロッパ教会の設計と建設の融合を表し、その後の教会建築に重要な影響を与えています。
フィリピン群島、ルソン島北部の遠隔地、コルディリェラ山脈に位置するライス・テラス(棚田)は、フィリピン植民地時代以前を遡り、遥か2千年前から、稲作の実施の様々な課題と挫折を克服し、世代から世代へ引き継がれた、生きている文化的な景色を辿ることができる顕著な実例とされています。
歴史に刻まれた、最も無傷で印象的な棚田は、4つの自治体に跨る広範囲な面積で、それらは全て、これらの山に数千年間居住する少数派民族イフガオ族が所有する資産から構成されています。
16世紀以前のフィリピンは、近隣諸国から移住してきた人々により伝えられたイスラム教国でしたが、スペイン統治が本格的になるにつれ、次々と教会が建造され、キリスト教が普及してきました。
4教会の共通は国民の保護の特色を持ち、海賊などの略奪者、途方もない大規模な地震活動の傾向がある国の地質条件に対し、凝灰岩、サンゴモ石灰岩またはレンガのどちらでも建設され、石灰で強化されています。
ヨーロッパのバロック建築、東洋的な装飾が施された教会に、フィリピン人口の約9割が、キリスト教信徒といわれる程浸透。
最古の石造教会とされるサン・アグスティン教会の礼拝堂は、ステンドグラスの窓、天井、壁には絵画が施された美しく雰囲気の良い教会との評判を得ています。
英語表記:Baroque Churches of the Philippines
所在地:マニラ、イロコス・ノルテ州、イロコススル州、イロイロ州 N14 35 24 E120 58 12(緯度 経度:度分秒)
登録基準 (ii)(iv) 1993年登録
ルソン島北部、標高1000m~2000mの中央山岳地帯に展開する、幾重にも連なる階段状の棚田は、植民地支配にあったフィリピン僻地のなかで何ら影響を受けることなく受け継がれてきました。
森林に覆われた山頂から水を引く棚田は、高位置の水田から低位置の水田へと、少数民族のイフガオ族が口承で伝え、ほとんど手作業で開墾した伝統的な灌漑システムです。
石を積み上げた棚田の壁は高さ十数メ-トルの箇所もあり、壁の延長を総合すると地球半週分に匹敵するといわれる世界最大規模の棚田。
英語表記:Rice Terraces of the Philippine Cordilleras
所在地:ルソン北部、セントラル山脈の山岳地帯、イフガオ州バナウエ周辺 N16 56 2.004 E121 8 12.012(緯度 経度:度分秒)
登録基準 (iii)(iv)(v) 1995年登録
登録年度順 | 登録名 | 登録区分 |
1 | フィリピンのバロック様式教会群 | 文化遺産 |
2 | フィリピン・コルディリェーラの棚田群 | 文化遺産 |
3 | 古都ビガン | 文化遺産 |
1 | トゥバタハ岩礁自然公園 | 自然遺産 |
2 | プエルト-プリンセサ地下河川国立公園 | 自然遺産 |
3 | ハミギタン山地野生生物保護区 | 自然遺産 |
外務省公表の「危険情報」は、渡航・滞在にあたって特に注意が必要と考えられる国・地域に発出される情報。