奈良県奈良市に位置する復元された特別史跡の平城宮跡、国宝建造物の東大寺、興福寺、春日大社、元興寺、唐招提寺、薬師寺、特別天然記念物の春日山原始林が「古都奈良の文化財」として世界遺産(文化遺産)に登録されています。
平城宮は藤原京から遷都された天皇が居住する天平文化の隆盛を物語る奈良時代(710年~794年頃)の日本の首都、「古都奈良の文化財」は鎮護国家を目指した奈良時代の思想が伺えます。
710年から74年間の間、当時の首都してして栄えた奈良県の特別史跡平城宮跡は、中国、唐王朝の都(長安)が都市計画の模範とされています。
当時、幅約75m、全長約3.8kmもあったという平城宮の朱雀大路の中心から東側を左京と呼び、東大寺、春日大社、興福寺、元興寺、春日山原始林、朱雀大路の中心から西側は右京と呼び、唐招提寺、薬師寺があります。
平城宮跡、東大寺、春日大社、興福寺、元興寺、春日山原始林、唐招提寺、薬師寺などの8遺産群が、1998年に「古都奈良の文化財」として世界文化遺産に登録。
古都奈良の文化財には、国宝建造物に指定されている高さ15mもある大仏像の東大寺金堂、興福寺の高さ50mの五重塔、唐招提寺ある高さ約5mの千手観音立像など、25の国宝建造物、53の重要文化財があります。
英語表記:Historic Monuments of Ancient Nara
所在地:奈良県奈良市 N34 40 32 E135 50 22(緯度 経度:度分秒)
登録基準 (ii)(iii)(iv)(vi) 1998年登録
二荒山神社(ふたらさんじんじゃ)、東照宮、輪王寺、二社一寺の国宝建造物、重要文化財建造物、史跡などから構成された文化財が「日光の社寺」として世界遺産(文化遺産)に登録されています。
東照宮は徳川家康(1542~1616)の霊廟として1617年に創建され、1636年に3代将軍徳川家光(1604~1651)によって造営されたものです。
日本最後の武家政権を創設した徳川家康を「東照大権現」と神格化して祀る東照宮は、当時の最高水準の技術が用いられており、細密な彫刻、金箔と鮮やかに彩色された装飾建造物が並んでいます。
なかでも、陽明門は、一面の施された金、朱、緑の彩色は最も華麗な装飾建造物、動物を彫り刻んだ木彫像「見ざる 言わざる 聞かざる」の三猿、眠り猫の建造物は有名。
東照宮の建築により、権現造様式や彫刻、彩色の建築技法が完成され、その後の建築様式に大きな影響を与えたと推測されています。
日光二荒山神社は、修験道の霊場として崇め敬れた日光三山を神体として祀る神社、国宝指定の刀剣から重要文化財の多数の刀剣が納められています。
天台宗の門跡寺院である日光山輪王寺は、本尊の阿弥陀如来、千手観音、馬頭観音などの国宝、重要文化財、徳川家光を祀った大猷院霊廟などが知られています。
英語表記:Shrines and Temples of Nikko
所在地:栃木県日光市 N36 44 51 E139 36 38(緯度 経度:度分秒)
登録基準 (i)(iv)(vi) 1999年登録