世界遺産ツアーと世界遺産一覧：インドネシアの世界遺産
東南アジアに位置するインドネシア共和国には、多様な地形が生み出す景観と多様な動植物が生息する東南アジア最大の保護区「ロレンツ国立公園」、優れた自然の美しさと多くの絶滅危惧種を含む多様な生物相を保持する「スマトラの熱帯雨林遺産」などの世界遺産(自然遺産)が引き継がれています。
ロレンツ国立公園は、世界で２番目に大きいニューギニア島の西半分あたるインドネシア領・パプア州に位置。
ロレンツ国立公園は、低地の湿地帯と高山帯に区分され、高山帯には氷河を抱く標高４８８４ｍのジャヤ峰を筆頭に５０００ｍ級の山々が連なり、湿地帯の海岸は、マングローブ林が広がり、内陸部は未開の地と言われほど、複雑に植物が蔽い茂る広いジャングル地帯。
スマトラの熱帯雨林遺産は、スマトラ島ブキット・バリサン山脈に展開する大きな国立公園群で、グヌン・ルスル国立公園（Gunung Leuser、GLNP）、クリンチ・スブラット国立公園（Kerinci Seblat、KSNP）、ブキット・バリサン・スランタン国立公園（Bukit Barisan Selatan、BBSNP）の３つの国立公園から構成される東南アジア最大の保護地域の一つ。
パプア州に位置するローレンツ国立公園は、北にニューギニア島の脊梁山脈をなす、東南アジア最高峰のプンチャック・ジャヤ（ジャヤ峰、標高４８８４ｍ）とマンダラ山（標高４７０２ｍ）の範囲に沿い、南はアラフラ海へと１５０ｋｍ以上も広がる東南アジア最大の保全地域を構成。
２枚の衝突する大陸プレートの合流点に位置する公園内の主要な山の形成は氷河の付着物によりほりきざまれた進行中の複雑な地質で、雪に覆われた山頂から大規模な低湿地帯、沿岸部へと、固有種も多く、豊かな生物多様性に優れた世界で唯一氷河を抱く熱帯地域の一つです。
ローレンツ国立公園内は最も豊富な生物多様性の領域で、記録された約１２３種の哺乳類と一緒に３４種の植物相と２９の土壌体系が確認され、合計哺乳類動物群はパプア州の８０％を占有。
記録された哺乳動物に、世界３種の単孔類動物のうちの２種が含まれ、短いくちばしのハリモグラ（ハリモグラ属）、長いくちばしのハリモグラ（ミユビハリモグラ属のbruijinii）がニューギニア固有種と確認された、ほか、４５ヶ所の制限された範囲内に固有鳥類９種の棲息域が確認されています。
公園内で注目すべきことは、高地地域社会のアムンメ族(Amungme)、ダニ族（Dani）、モニ族（Moni）などを含む、文化的な多様性を持つ、７民族グループの従来の生活様式を維持させることが提言されています。
英語表記：Lorentz National Park
所在地：パプア州 S4 45 0 E137 49 59.988（緯度 経度：度分秒）
登録基準 (viii)(ix)(x) 1999年登録
スマトラの熱帯雨林遺産は、ブキット・バリサン範囲に位置、スマトラの多くの絶滅危惧種を含む多様な生物相の長期保全のための最大の可能性を保持、優れた自然の美しさと並外れた多くの絶滅危惧種を含む多様な生物相を保持する国立公園と評され、植物は１７種の固有種を含め、１万種の生息数が推定され、種の数とユニークさに関して特別な国立公園とされています。
動物多様性も、また、印象的で２０１種の哺乳類と鳥類の５８０種、一部地域に生息する４６５種のうち２１種が固有種で、種の分布に優れた地域と称されています。
英語表記：Tropical Rainforest Heritage of Sumatra
所在地：アチェ州、スマトラウタラ（北スマトラ州）、ジャンビ州、スマトラバラット（西スマトラ州）、スマトラスラタン（南スマトラ州）、ブンクル州、およびランプン州
S2 30 0 E101 30 0&emso;（緯度 経度：度分秒）
登録基準 (vii)(ix)(x) 2004年登録、2011年危機遺産登録
