北アジア、東欧に位置するロシア連邦には、広葉樹林、針葉樹林、草原、万年雪地帯など高度帯状分布によって特徴づけられた絶滅危惧種の重要な生息地として広範囲にわたる森林地帯の「西コーカサス山脈」、タイガ気候と亜熱帯気候が混合する世界でも類をみない特異な地域性で多くの絶滅危惧種が生息する極めて重要な地域「中央シホテ-アリン」など、発達した針葉樹と常緑針葉樹、落葉広葉樹などが広範囲にわたる森林地帯と世界屈指の生物多様性を保持、絶滅危惧種の貴重な生息地としての自然遺産が引き継がれています。
西コーカサス山脈、または、西カフカースは、ソチの北東約50km、モスクワの南約1320km圏内、黒海とカスピ海に挟まれ、クラスノダール地方、アディゲ共和国、カラチャイ・チェルケス共和国に跨る大山脈。
コーカサス山脈の西端、コーカサス生物圏保護区(Caucasian Biosphere Reserve)、ソチ国立公園(Sochi National Park)を、ボリショイ・タク自然公園(Bolshoy Thach Nature Park)などを含む、海抜250m~3,360m、約3,000k㎡の領域に及ぶ生物多様性のホットスポットの一部として世界遺産に登録されています。
モスクワの東約6,470km圏内、ロシア連邦・極東連邦管区、プリモルスキー地方(沿海地方、Primorsky)のウラジオストク(Vladivostok)の北東からクラスノアルメイスキー地区、テルネイ地区、ポジャルスキー地区、ダリネゴルスク地区に跨り、ハバロフスク地方(Khabarovsk Krais)まで、日本海沿いを約900km で延びるシホテ-アリン山脈(シホテアリニ山脈)は、世界で最も特徴的な自然を有する地域帯の一つ。
プリモルスキー地方とハバロフスク地方に跨るシホテ-アリン山脈は、タイガとのコンビネーション、気候と地形の組み合わせが、世界で最も肥沃で、最も変化する温暖な森の特徴的な自然の1つを代表しています。
コーカサス生物圏保護区(Caucasian Biosphere Reserve)は、広葉樹林、針葉樹林、ドワーフ(小さな)の森、山の草原、万年雪地帯など、顕著な著しい高度帯状分布によって特徴づけられ、手つかずの自然が残る豊かな生物多様性の宝庫として認識されています。
保護区の領域は、海抜260mから3,346mへ移行する典型的な山岬で、尾根と麓の地形は、異なる高度に位置、多数の谷間と渓谷、山の多くは、永久的な雪線を超えて上昇します。
英語表記:Western Caucasus
所在地:クラスノダール地方、アディゲ共和国、カラチャイ・チェルケス共和国 N44 0 0 E40 0 0(緯度 経度:度分秒)
登録基準 (ix)(x) 1999年登録
シホテ-アリン山脈の生態系と他の温暖な生態系とを比較すると、シホテ-アリン山脈一帯に生息する固有種の植物と無脊椎動物の水準はとても高く、シベリアトラ、カモ亜科アイサ族などの絶滅危惧種の重要な生息地になっています。
また、タイガ気候と亜熱帯気候が混合する特異な地域性から、トラとヒマラヤグマのような亜熱帯種とタイガ特有のオオヤマネコ、ヒグマ、トナカイと同じ生息地を共有する動植物のまれな組み合わせ結果となっています。
英語表記:Central Sikhote-Alin
所在地:沿海地方、ハバロフスク地方 N45 19 60 E136 10 0(緯度 経度:度分秒)
登録基準 (x) 2001年登録