北東ユーラシア、朝鮮半島の南に位置する韓国(大韓民国)には、紀元前1世紀から10世紀まで隆盛を誇った新羅王朝の史跡が点在する「慶州歴史地域」、8世紀から9世紀初め、新羅国家時代に建立された「海印寺大蔵経板殿」、仏国寺と新羅美術の最高峰される仏像彫刻「石窟庵(ソックラム)」、14世紀末に創建された朝鮮王朝の祖先祭祀場「宗廟(チョンミョ)」、15世紀初めに創建された李氏朝鮮の宮殿「昌徳宮(チャンドックン)」などの歴史建造物の世界遺産(文化遺産)が現在に引き継がれています。
韓国の首都ソウルの中心部にある宗廟(チョンミョ)は、朝鮮王朝時の王と王妃を祀った正殿、正殿の北側にあり、その他の王と王族が祀られている永寧殿(ヨンニョンジョン)など朝鮮王朝時代の建造物が現在に引き継がれています。
毎年5月の第一日曜日には、伝統的な民族衣装を身につつんだ李氏家の子孫が集まり、歴代国王の功績を称える行事・宗廟大祭を開催。
祖霊を偲んで拝み演奏される楽器、歌、舞踊は総称して宗廟祭礼楽と呼ばれ、重要無形文化財に指定されています。
昌徳宮(チャンドクン)は、韓国首都ソウル特別市の北に位置、朝鮮王朝時代の宮殿。
朝鮮王朝時代の建造物は韓国各所に点在しますが、ソウル五大王宮のうち、優美な景感を保つ王宮に昌徳宮(チャンドックン)と景福宮(キャンボックン)が、ゆきとどいた手入れで引き継がれています。
朝鮮王朝第3代の大宗の離宮として創建された昌徳宮(チャンドクン)は、1592年の文禄の役で治安が乱れ、朝鮮民衆の略奪、放火により消失、消失後、すぐに再建され、景福宮(キャンボックン)が19世紀に再建されるまで朝鮮国王の正宮として使用されていました。
登録年度順 | 登録名 | 登録区分 |
① | 宗廟 | 文化遺産 |
② | 昌徳宮 | 文化遺産 |
③ | 石窟庵と仏国寺 | 文化遺産 |
④ | 海印寺大蔵経板殿 | 文化遺産 |
⑤ | 華城 | 文化遺産 |
⑥ | 慶州歴史地域 | 文化遺産 |
⑦ | 高敞、和順、江華の支石墓群 | 文化遺産 |
⑧ | 朝鮮王陵 | 文化遺産 |
⑨ | 大韓民国の歴史的村落:河回と良洞 | 文化遺産 |
⑩ | 南漢山城 | 文化遺産 |
⑪ | 百済歴史地区群 | 文化遺産 |
① | 済州火山島と溶岩洞窟群 | 自然遺産 |
宗廟(チョンミョ)は、第4代朝の太祖李成桂(イ・ソンゲ)が漢陽に遷都した後造営され、1395年に完成。
その後の壬辰倭乱(文禄の役)で消失、1608年に再建され、増改修を繰り返しながら現在へと容貌を引き継いでいます。
英語表記:Jongmyo Shrine
日本語訳:宗廟(チョンミョ)
所在地:ソウル特別市 N37 32 60 E126 58 59.988(緯度 経度)
登録基準 (iv) 1995年登録
昌徳宮(チャンドクン)は、内部装飾がうつくしい正殿の仁政殿、朝鮮国王が政務を行ったされる宣政殿、王妃寝室の大造殿などの木造建造物が立ち並ぶ。
韓国で代表的な庭園と評される秘苑(ビウオン)の自然林と池が、昌徳宮(チャンドクン)と調和しています。
以下が昌徳宮(チャンドクン)の建造物。
敦化門((トンファムン))、仁政門(インジョンムン)、金虎門(クモムン)、仁政殿(インジョンジョン)、宣政殿(ソンジョンジョン)、大造殿(テジョジョン)、錦川橋(クムチョンギョ)、熙政堂(ヒジョンダン)、楽善斎(ナクソンジェ)、水辣間(スラッカン)、秘苑(ビウォン)、御車庫
英語表記:Changdeokgung Palace Complex
日本語訳:昌徳宮(チャンドクン)
所在地:ソウル特別市 N37 32 60 E126 58 60(緯度 経度)
登録基準 (ii)(iii)(iv) 1997年登録