東アジアに位置する中国(中華人民共和国)には、「万里の長城」、「北京と瀋陽の清王朝皇宮」など紀元前から19世紀まで隆盛を誇った中国王朝の史跡が点在する王宮跡、宗教建造物、独特な版築建造物が世界遺産(文化遺産)として引き継がれています。
万里の長城の起源は紀元前8世紀頃~紀元前5世紀頃がとされ、戦国時代には外敵の備えに、北方民族と国境を接している国は北方からの侵入に備えた長城として建設。
中国を統一した秦の始皇帝により、遊牧騎馬民族に備えて多大な軍兵と農夫を動員して大増築、明代には警戒すべきモンゴルに備えて堅固な城壁して整備されています。
万里の長城は、渤海湾沿岸からゴビ砂漠まで全長約6000kmとされる長大な長城として築かれ、中国の歴史において最も長い歳月をかけて築き上げた文化遺産です。
北京市の中心部に位置する故宮(柴禁城)は、中国で現存する最大の木造建築物群で、その規模は東西760m、南北960mに及び、9000余の建物が残存します。
明の成祖永楽帝(在位1402年~1424年)が15年余の歳月をかけ、1420年に完成させ、明代末(1644年)に、ほぼ全焼しますが清王朝により復旧されました。
最後の主、溥儀(ふぎ)(1906年~67年)が紫禁城を出て行くまで、明・清王朝24代の皇帝が、約500年間居住し、国家的行事を遂行する場所として使用されています。
明・清代の宮殿である柴禁城は、現在、故宮博物館として一般公開されています。
世界的に有名な城壁「万里の長城」は、中国の歴史において最も長い歳月をかけて築き上げた歴史建造物。
万里の長城の起源は諸侯が覇権を唱えた春秋時代とされ、秦の始皇帝が国家統一後、戦国時代の長城を利用しながら北方の遊牧騎馬民族からの防衛ラインとして築き、その後の明王朝(1368~1644年)まで修築・増築をかさねています。
北方民族からの防衛ラインとして、2000年以上の歳月を費やした万里の長城は、全長が約6000km以上、東は渤海の山海関から、西は甘粛省の嘉峪関まで、延々と続く城壁です。
城壁の一番高いところで14m、城壁の外側は険しい崖、山の起伏によっては城壁も上下しながら延々とつづいています。
城壁の要所には、居庸席、黄崖関などの関所、見張り台やのろし台があり、 景観の素晴らしい八達嶺や慕田峪、嘉峪関など、雄大な眺望を楽しむための観光客が絶えません。
中国の行政区分としては、河北省、北京市、山西省、陜西省、内モンゴル自治区、甘粛省などの省、自治区にまたがっています。
英語表記:The Great Wall
所在地:河北省、北京市、山西省、陜西省、内モンゴル自治区など17の省、自治区 N40 25 0.012 E116 4 59.988(緯度 経度:度分秒)
登録基準 (i)(ii)(iii)(iv)(vi) 1987年登録
万里の長城 観光地
北京市(Beijing):所在地 北京市 N39 54 20 E116 23 29 ※ ⇒ Google Map
河北省:(Hebei)所在地 河北省 N38 02 32 E114 30 31 ※ ⇒ Google Map
山西省:(Shanxi)所在地 山西省 N37 52 24 E112 33 52 ※ ⇒ Google Map
陜西省:(Shaanxi)所在地 陜西省 N34 16 00 E108 54 00 ※ ⇒ Google Map
内モンゴル自治区:(Inner Mongolia)所在地 内モンゴル自治区 N40 48 54 E111 39 47 ※ ⇒ Google Map
山海関長城:所在地 北京市懐柔区 N40 25 54.8 E116 34 13.4 ※ ⇒ Google Map
八達嶺長城:所在地 北京市延慶県 N40 21 35.0 E116 01 12.1 ※ ⇒ Google Map
慕田峪長城:所在地 北京市懐柔区 N40 25 54.8 E116 34 13.4 ※ ⇒ Google Map
司馬台長城:所在地 北京市密雲県 N40 38 44.5 E117 14 35.7 ※ ⇒ Google Map
嘉峪関長城:所在地 甘粛省嘉峪関市 N39 48 13.3 E98 13 27.1 ※ ⇒ Google Map
北京の清王朝皇宮(故宮)は、別名紫禁城と呼ばれ、東西750m、南北960m、敷地面積約72万㎡にものぼる広さの中に、中国最大の木造建築物である太和(たいわ)殿から、中和殿、保和(ほわ)殿の三大殿があります。
三大殿は、政治の中枢となった建造物で、なかでも太和殿は高さ35m、幅約63m、奥行き約33m、浮き彫りの白い欄干、金色に装飾され内部は豪華絢爛さを漂わせています。
三大殿に外にも、皇帝が日常の生活を行った乾清宮(けんせいきゅう)、交泰殿(こうたいでん)、坤寧宮(こんねいきゅう)、寧寿宮花園、慈寧宮花園、御花園など大小60以上の建築物があります。
また、遼寧省((りょうねいしょう))瀋陽市(しんようし)にも清王朝の皇宮、瀋陽故宮があり、2004年に世界文化遺産に追加登録されています。
英語表記:Imperial Palaces of the Ming and Qing Dynasties in Beijing and Shenyang
所在地:北京市東城区 N41 47 39 E123 26 49(緯度 経度:度分秒)
故宮博物院(紫禁城):北京市東城区 N39 54 58.8 E116 23 49.7(緯度 経度:度分秒)
登録基準 (i)(ii)(iii)(iv) 1987年登録、2004年拡張
清王朝皇宮(故宮) 観光地
紫禁城:所在地 北京市東城区 N39 54 58.9 E116 23 49.8 ※ ⇒ Google Map
瀋陽故宮:所在地 遼寧省瀋陽市瀋河区 N41 47 49.5 E123 27 20.7 ※ ⇒ Google Map
登録年度順 | 登録名 | 登録区分 |
1 | 九寨溝渓谷景観と歴史地域 | 自然遺産 |
2 | 黄龍の自然景観と歴史地域 | 自然遺産 |
3 | 武陵源の自然景観と歴史地域 | 自然遺産 |
4 | 雲南の三江併流保護区 | 自然遺産 |
5 | 四川省のジャイアントパンダ保護区 | 自然遺産 |
6 | 中国南方カルスト | 自然遺産 |
7 | 三清山国立公園 | 自然遺産 |
8 | 中国丹霞 | 自然遺産 |
9 | 澄江の化石出土地域 | 自然遺産 |
10 | 新疆天山 | 自然遺産 |
1 | 泰山 | 複合遺産 |
2 | 黄山 | 複合遺産 |
3 | 峨眉山と楽山大仏 | 複合遺産 |
4 | 武夷山 | 複合遺産 |
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